序章 闇堕ち

僕、シャーニー=ベルクライドがその異変を感じ取ったのは、日課の訓練を終え部屋に戻ろうとしていた時であった。

 突然何かの砕けるような音がしたと思ったら、、軽い脱力感とともに父からの聖印の力が感じ取れなくなったのだ。

(・・・!父上の身に何か?)

 着替える間も惜しみ、父のいたはずの大広間に駆けつけると、そこには袈裟懸けに斬られ倒れ伏す騎士と

うずくまったまま動かない父らしき影、そして傍らには数ヶ月前に協会から派遣された契約魔法師の姿があった。

「ウェルゼ殿!一体何が・・・いや、貴公何をした!」

 僕が魔法師・・・ウェルゼに向かって問い質すと、ウェルゼはおどけた表情で

「いえ、私は何も。そちらのお父上に確認したほうがよろしいのでは?」

 とウェルゼが答えたと同時に、傍らでうずくまっていた父が突如立ち上がり、僕の方へとその姿を向けた。

 姿自体は今までの父と変わっていなかった・・・が、父の持っていた聖印は消えうせ、

まるで聖印に取って代わるがの如く、手の甲に黒い紋様が浮かんでいた。

続く(随時加筆予定)